Bike of the Month -August-
TRIUMPH SCOOTERS -Tina 1965

 8月といえば水着のオネーチャンでしょう!ちゅうことで、1960年代のトライアンフの宣伝素材写真です。
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 あまりズキュンと来ませんね。ごめんなさい。これも当時としては扇情的なショットなのでしょうか...。僕にはやっぱり当時から、トラ社はビミョ〜に野暮ったい広告写真がお家芸だったとしか思えない。

 スクーターの時代でもあった戦後。トライアンフ社は、世界の流れに乗り遅れ、1958年になってやっと、E. ターナーがデザインした初のスクーター「タイグレス(Tigress)TS1/TW2」を発表します。タイグレスとは雌トラ。転じてアバズレ女、という悪い意味もあります。
 TS1は2スト172cc(ベースはBSAバンタムのエンジン)。BSAからはサンビームという名称で発売されています。TW2はOHVツイン250cc。そしてなんと4速ミッション。雌トラ、という名称からもターゲットは女性であったにもかかわらず、クラッチ操作が必要。さらには当時の水準としても野暮ったいデザイン...スクーターとしては明らかなオーバースペックで、しかも狙いを外しているこの車体は、当然ながらサッパリ売れませんでした。(広告は大量に打ったようですが...)
 右上写真はTW2ですが、妙に走破製の良さそうな、しかし重そうな車体が気になります(笑)

 この失敗を挽回すべく、1962年にはティナ(TINA,後にT10と改称)が発売されます(このページ上の写真がティナです)。天才・ターナーの設計による2スト100ccマシンでしたが、焦ったトライアンフ社は細部を煮詰めないままに発売してしまいます。今回はオートマ、フリークラッチとスクーターとしての最低要件は満たしていましたが、残念ながら「満たしていた」だけ...トライアンフ製スクーターに人々を振り返らせるまでの訴求力は持ち合わせていませんでした。その後もマイナーチェンジを繰り返しますが、1970年には遂に生産が終了しました。


 個人的に気になるのは、タイグレスもティナも、ピーシューターマフラー(日本では良くキャブトンマフラー、と誤って呼ばれますが、トラのはピーシューターです)が車体の下からチョコンと見えていること。僕は不動車しか見たことがありませんが、きっとスクーターにしてはいい音がするんじゃないかなぁ、と思っています。かつてタイガーカブを所有していたとき、200ccとは思えないその音色には(期待していなかっただけに)ビックリしたものです。残念ながら現代車用(SRやW650用)の「トライアンフマフラー」からは絶対に出ない音色なんですね...ポンポンという音に微妙に余韻があるのが感動的でした。

 2001年のTOM2の折、会場を訪れてくださったロス・クリフォード氏(トライアンフの偉いさん)と雑談する機会に恵まれた際、僕は「現行のスポーツ以外の、シティコミューターレベルのラインナップは考えていないのですか」と尋ねました。正直、僕の頭の中にあったのは愛すべき単気筒(僕は単気筒大好きな一面があります)・タイガーカブの血統を受け継ぐマシンが誕生しないかなぁ、ということだったのですが、ロス氏はこう答えました。「スクーターのことかい?今はまだまだだが、いつかはやりたいと思っている。」期待した答えでは無かったにもかかわらず、不思議にワクワクしたのを覚えています。
 ヒンクレー・トライアンフのスクーター、いつか見ることが出来るのかもしれません。どうせ作るなら、スクーターと言っても、ティナやティグレスのように野暮ったい可愛らしさをもったものにして欲しいところです。例えば、時代を先取りしすぎた変態スズキさんのSW-1の様なモデルとか...

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